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うずらの卵

うずらの卵

先日患者さんにうずらの卵をいただきました。

自家製の出汁で漬けたうずらの卵を美味しくいただきました。

そこで

「卵は卵だけど鶏の卵と栄養価は違うのか?」

という疑問が湧きました。

少し調べてみると、もしかしたら鶏の卵よりもすごいかも。。

ということが分かってきました。

今回はこの「うずらの卵」と「鶏の卵」の違いに関して調べたことをお伝えしていこうと思います。

卵の栄養

卵は食物繊維とビタミンC以外の栄養素を全て含んでおり、その栄養価の高さから「完全栄養食品」と呼ばれるほど理想的な食品です。実際アミノ酸スコアも100(満点)です。栄養成分に着目すると炭水化物はあまり含まれていませんが、たんぱく質や脂質をほどよく含み、さらにビタミンやミネラルを豊富なのが特徴です。

タンパク質

卵白1個分(30g)に含まれるたんぱく質は3.0g。卵黄にも含まれているので、卵1個を食べると成人男性の1日に必要なたんぱく質の約13%を摂取することができます。
またその中でも特に「良質なたんぱく質」を含んでいる食品といえます。食品に含まれるたんぱく質の栄養価は、必須アミノ酸と呼ばれる9種類のアミノ酸の含有量によって決まります。この含有量を摂取するのに必要な量と比較して算出した値を「アミノ酸スコア」と呼んでいます。
アミノ酸スコアは満点が100であり、不足している必須アミノ酸があると、そのスコアは下がっていきます。そして卵のアミノ酸スコアは100点満点です。肉や牛乳と同じくらい良質なたんぱく質であることが分かっています。卵は手軽に摂取できる優秀なたんぱく質源になります。

脂質

卵の脂質はほとんどが卵黄に含まれていますが、その中にはオレイン酸といわれる脂肪酸が含まれており、悪玉コレステロールを下げる働きがあるといわれています。

以前は卵にはコレステロールが多く含まれているので体内のコレステロール値を上げる食材として敬遠されていましたが、コレステロールは体内で合成できる脂質で、食事で摂取するコレステロールの影響は少ないということが分かってきました。摂取目標量を決める科学的根拠が少ないため、最新版の食事摂取基準では、コレステロールの目標量は撤廃されています。
つまり理論的には卵を食べることによって体内のコレステロール値を上げるわけではない。ということになります。

ビタミン

卵黄にはビタミンAやビタミンDが特に含まれています。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持に働く栄養素。卵黄1つ(20g)で30~64歳の男性の1日に必要なビタミンAの約21.5%、女性の場合は約28%が含まれています。
またカルシウムの吸収をサポートし、骨を強くする働きのあるビタミンDは、成人の1日に必要な量の約28.2%が卵黄1つに含まれています。

ミネラル

卵黄には鉄と亜鉛が多く含まれています。鉄は赤血球を作る上で必要となる栄養素で特に女性は不足しがちなので積極的に摂取しておきたい物質です。卵黄1つ(20g)に対して、鉄の含有量は約1.0mg。これは、30歳男性において1日に必要な量の約15.4%、女性の場合は11.1%にあたります。
亜鉛はたんぱく質の再合成やDNAの合成に必要な栄養素で、不足すると味覚障害をおこす可能性がある栄養素です。卵黄1つ(20g)には、30代男性が1日に必要な量の約7.8%、女性の場合は10%が含まれています。これらの他にも様々な栄養素が含まれており、卵黄はかなり栄養価が高いことがわかります。

カリウム

カリウムは細胞の浸透圧を調整したり、筋肉の収縮に関わる栄養素です。利尿作用があり、ナトリウム(塩分)を身体の外に排出することでむくみの軽減や血圧低下が期待できます。卵白には、卵白1個分で42mgのカリウムを摂取することができます。これは、成人男性が1日の摂取目安量の約1.7%、成人女性の場合は約2%です。

効果効能

たんぱく質は、私たちの髪や爪、皮膚、筋肉を作る材料となっており、不足すると肌がボロボロになったり、筋肉量が落ちる原因になります。たんぱく質をしっかりと摂取することで、筋肉量を増加・維持します。筋肉がしっかりついた身体は、代謝が上がり、痩せやすく太りにくい身体をつくることにつながります。体力もつくので、疲労回復効果もあります。
また抗酸化作用を持つビタミンAやEが含まれています。活性酸素の発生を抑えることで、細胞の老化を抑える働きが期待できます。
肌作りに必要なたんぱく質はもちろん、コラーゲンを増やす働きのある成分が卵には含まれています。そのため皮膚の弾力や肌のうるおいを保つ効果が期待できます。

うずらの卵と鶏の卵の違い

うずらは小鳥のため、早く成長する必要があるため鶏の卵と比べてビタミンが豊富と言われています。
またフランスでは1968年より花粉症・鼻炎などのアレルギー患者2000人以上を対象とした臨床試験で、その有効性が認められています。

栄養価は基本的には鶏の卵に近いです。アミノ酸スコアも鶏の卵と同じく100点満点です。ですが鶏の卵よりも優れている点も幾つかあります。それは栄養価の違いです。

以下の栄養価は鶏の卵との比較です。
ビタミンA   2.5倍
ビタミンB 12  5.2倍
鉄 1.7倍
葉酸    2.1倍
メチオニン 2.8倍
DHA 3.5倍

これだけ見ると鶏の卵よりも栄養価が高いようにも取れます。ですがこれは鶏の卵と同じ量での比較になります。つまり鶏の卵1個に対してうずらの卵は大体5個で同じ量になります。そこは注意してくださいね。

ビタミンA

うずら卵100g当たりの含有量は350㎍、鶏卵の含有量は100gあたり150㎍なので、鶏卵の2倍以上のビタミンAが含まれています。ビタミンAは目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンで、粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める効果があります。また、強い抗酸化作用を持ち、アンチエイジングにも効果があると言われています。脂溶性のビタミンなので油と一緒にとることで吸収率がアップします。

ビタミンB12

うずら卵100g当たりの含有量は4.7㎍。鶏卵100g当たりの含有量は0.9㎍なので、鶏卵に比べると約5倍ものビタミンB12が含まれています。ビタミンB12は赤血球を作り貧血の予防に効果的です。また、傷ついた神経細胞を修復する効果があり、手足のしびれなどにも効果が期待できます。

鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球を作るために欠かせないミネラルです。また、筋肉内に酸素を取り込む働きもあり、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を起こす原因にもなります。体内で吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンCを含む食材と一緒にとることで吸収率がアップします。

葉酸

ビタミンB群の一種である葉酸はビタミンB12と協力して赤血球を作り、食べたものをエネルギーに変えるのを助ける役割があります。また、DNAを正常に作る材料にもなります。動物性ではレバーに多く含まれており、野菜類や豆,海藻などにも多く含まれています。

ですが、鶏の卵もうずらの卵もとにかく栄養価が高い食材になります。ケースバイケースで食卓に選んでくださいね。





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